改訂新版 世界大百科事典 「蓬田」の意味・わかりやすい解説
蓬田[村] (よもぎた)
青森県北西部,東津軽郡の村。人口3271(2010)。津軽半島東岸,陸奥湾に面し,西部は半島の脊梁をなす津軽山地の東斜面にあたる。南は青森市に接し,海岸に沿って国道280号線(旧仙台・松前道)とJR津軽線が通じ,集落の大部分は国道沿いに発達する。蓬田川,広瀬川の下流域には水田が開け,上磯地方(津軽半島東岸)の穀倉地帯となっているが,〈やませ〉と呼ばれる夏の冷湿な偏東風のため冷害に襲われることが多い。1976年から県営草地開発事業が進められ,畜産に力を入れている。漁業は不振であるが,近年ホタテガイの養殖が行われている。郷沢駅の北にある玉松台と呼ばれる高台には,青森港へ寄港する船の目標となった松(玉松)がある。中世の土豪の居館といわれる蓬田館(大館城)跡がある。
執筆者:佐藤 裕治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報