蕤賓(読み)スイヒン

デジタル大辞泉 「蕤賓」の意味・読み・例文・類語

すい‐ひん【×蕤賓】

中国音楽十二律の一。基音黄鐘こうしょうより六律高い音。日本の十二律の鳧鐘ふしょうにあたる。
陰暦5月の異称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蕤賓」の意味・読み・例文・類語

すい‐ひん【蕤賓】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ずいひん」とも )
  2. 中国音楽で十二律の一つ。基音の黄鐘(こうしょう)からはじまって、七番目の音。日本の十二律の鳧鐘(ふしょう)に当たる。
  3. 陰暦五月の異称。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「蕤賓怨婦両眉低、耿々閨中待暁鶏」(出典新撰万葉集(893‐913)上)
    2. 「蕤賓之月。端午之辰。家々浴蘭湯」(出典:異制庭訓往来(14C中))
    3. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

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世界大百科事典(旧版)内の蕤賓の言及

【鳧鐘】より

…日本音律の十二律の中の一音名。基音とする壱越(いちこつ)から上7番目の音で,中国十二律の蕤賓(すいひん),洋楽の嬰ト(変イ)にほぼ相当する音。また,古代中国の鐘の名に鳧鐘があり,梵鐘や念仏に用いる小さな鉦(かね)を鳧鐘ということもある。…

※「蕤賓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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