鳧鐘(読み)フショウ

精選版 日本国語大辞典 「鳧鐘」の意味・読み・例文・類語

ふ‐しょう【鳧鐘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 雅楽の十二律の一音名。洋楽の嬰ト音に当たる。〔亀田本下学集(室町中‐末)〕
  3. ( 中国の古伝説で、鳧氏がつくったというところから、一般に ) 釣り鐘。また、念仏に用いる小さい鉦(かね)鉦鼓
    1. [初出の実例]「鳧鐘夜鳴る、響き暗天の聴きに徹る〈都良香〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
  4. 陰暦五月の異称

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改訂新版 世界大百科事典 「鳧鐘」の意味・わかりやすい解説

鳧鐘 (ふしょう)

日本音律の十二律の中の一音名。基音とする壱越(いちこつ)から上7番目の音で,中国十二律の蕤賓(すいひん),洋楽の嬰ト(変イ)にほぼ相当する音。また,古代中国の鐘の名に鳧鐘があり,梵鐘や念仏に用いる小さな鉦(かね)を鳧鐘ということもある。
十二律
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普及版 字通 「鳧鐘」の読み・字形・画数・意味

【鳧鐘】ふしよう

鐘。

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世界大百科事典(旧版)内の鳧鐘の言及

【梵鐘】より

…俗に鐘,釣鐘(つりがね)とも呼ぶが,古くからその形状や由縁によって多くの異称がある。おもなものに突鐘(つきがね),洪鐘(こうしよう),撞鐘(どうしよう),鴻鐘(こうしよう),蒲牢(ほろう),鳧鐘(ふしよう),九乳(くにゆう),青石(せいせき),華鯨(かげい),霊鐘(れいしよう)などがあげられる。インドの仏寺で用いた打楽器をさす犍稚(かんち∥けんち)(犍椎(かんつい∥けんつい))も梵鐘の異称となっているが,インドには金属製の鐘がなかった。…

※「鳧鐘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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