薫ずる（読み）クンズル

デジタル大辞泉

くん・ずる【薫ずる】

［動サ変］［文］くん・ず［サ変］
１ よいかおりがする。かおる。また、かおらせる。におわせる。「香を―・ずる」
２ 風が若葉のかおりを送ってくる。「緑風―・ずる候」
[類語]匂う・薫る・匂わす・匂やか・匂いやか・鼻につく・香かぐわしい・芳かんばしい・馥郁ふくいく・芬芬ふんぷん

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

くん‐・ずる【薫】

1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
   [ 文語形 ]くん・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
   1. ① 香りがただよう。かおる。におう。くんじる。
      1. [初出の実例]「いろいろの宝の香どもを焚かせ給へれば、香くんじたり」(出典：栄花物語（1028‐92頃）音楽)
   2. ② 風が青葉の香りを吹きおくってくる。くんじる。
2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
   [ 文語形 ]くん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
   1. ① かおらせる。におわせる。くんじる。
      1. [初出の実例]「銀・黄金の香炉にさまざまの香をたきてくむじ合せたる程」(出典：栄花物語（1028‐92頃）鳥の舞)
   2. ② においをうつす。香りをしみつける。
      1. [初出の実例]「其中に実法はみな種子より生じて種子を薫ず。薫ずと申は己が気分を留めて置なり」(出典：法相二巻抄（1242か）上)

出典　精選版 日本国語大辞典