朝日日本歴史人物事典 「藤田達芳」の解説
藤田達芳
生年:安政5.6.28(1858.8.7)
明治大正期,伊予多喜浜(新居浜市)の塩業家。小野家に生まれ,のち藤田家の養子。明治11(1878)年の十州同盟塩戸会議に多喜浜代表とし参加。苦学して東京専門学校(早大)第1回生となる。26年多喜浜復興のため東浜塩産株式会社にまとめ,社長に就任。また23年衆院議員に当選。大日本塩業同盟の委員として,鎌田勝太郎(香川県)らと共に「清国へノ塩輸出」を衆院に提出した。29年大日本塩業協会の設立に参画し評議員,幹事を歴任。31年政府の塩業調査会委員として台湾の塩業調査に派遣された。塩業制度の特別委員として,34年秋良貞臣(山口県)と共に「塩田国有論」を提唱した。<参考文献>村上正夫「藤田達芳氏と塩田国有論」(『塩業展望』9巻2号)
(村上正祥)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報