藪川村(読み)やぶかわむら

日本歴史地名大系 「藪川村」の解説

藪川村
やぶかわむら

[現在地名]玉山村薮川やぶかわ

岩手郡の東端に位置し、東は早坂はやさか峠で閉伊へい釜津田かまつだ(現下閉伊郡岩泉町)、北は日戸ひのと村・玉山村、川口かわぐち(現岩手町)、九戸郡江刈えかり(現葛巻町)。東に大森おおもり山、西に大尺だいしやく山、南に七兵衛頭しちべえがしら御大堂おだいどう山、北に茶臼ちやうす台・川場かわば台など一〇〇〇メートル級の山々がそびえ、山間丹藤たんどう川とその支流末崎まつさき川・軽町かるまち沢・柴沢しばさわ川などが流れる。盛岡城下と沿岸部を結ぶ小本おもと街道沿いの継所で、県内有数の寒冷地帯でもある。「雑書」寛永二一年(一六四四)四月二八日条に「藪川ノ伊セ」の名がみえ、同年五月一〇日条では藪川に吉利支丹改が派遣された。元禄十郡郷帳ではかど(現岩泉町)へ入るとある。「雑書」安永六年(一七七七)二月二九日条によれば、「上田通藪川村御百姓共去年不作ニ付至而困窮之者家数五十七軒、人数三百六十六人、牛馬三百四十六疋、飯料・飼料致方無之付雑穀粉糠共頂戴仕度」と訴え、「稗百十駄、御代物三十貫文被下置旨申渡之」と記す。「邦内郷村志」の閉伊郡上田うえだ通のうちに村名がみえ、高二二石余、家数五八、馬七一。享和三年(一八〇三)仮名付帳では家数四〇、うち本村三六で、枝村は柴沢一・むかえさわ一・末崎川まつさきかわ二。


藪川村
やぶかわむら

[現在地名]小千谷市藪川

時水ときみず村と土川つちかわ村の中間にある。藪河やぶかわとも記す。正保国絵図に高七〇石余。「新編会津風土記」では家数七。当村に隣接して藪川新田村があり、「新編会津風土記」では承応二年(一六五三)の開村と伝え、家数一七。鎮守宇都宮うつのみや神社は上弥彦かみやひこ(魚沼神社)の一八末社の一と伝える。社蔵の鰐口には、永享一〇年(一四三八)七月中旬九日紀銘で「宇都宮鰐口 旦那平朝臣西片弥三郎光行願主」「越後国魚(ママ)郡内吉谷村」「藪河住人惣(ママ)宮司等」とあり、大工は「道久禅」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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