蘡薁(読み)えびづる

精選版 日本国語大辞典 「蘡薁」の意味・読み・例文・類語

えび‐づる【蘡薁・蝦蔓】

  1. 〘 名詞 〙 ブドウ科のつる性落葉低木。本州、四国、九州の山野に生える。葉は心臓形で三~五に裂け、縁に鋸歯(きょし)があり、全体に綿毛を密生する。若い葉と茎は赤紫色。夏、淡黄緑色の小さい花が円錐花序に集まって咲く。実は径五ミリメートルぐらいの球で熟すと黒色となる。葉を乾してもんだものは薬もぐさと称し、疣(いぼ)に灸(きゅう)をすると取れるという。実は食用のほか、酒や染料原料となる。漢名、蘡薁。えびかずら。えび。いぬぶどう。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「ゑびづるの中にある虫かげぼしくろやき」(出典:養鷹秘抄(15C前か))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android