血の婚礼(読み)チノコンレイ(その他表記)Bodas de sangre

デジタル大辞泉 「血の婚礼」の意味・読み・例文・類語

ちのこんれい【血の婚礼】

原題、〈スペインBodas de sangreガルシア=ロルカ戯曲。1933年初演。結婚式の後、花嫁と逃げた従兄と彼らを追う花婿が迎える悲劇を描く。全3幕。「イェルマ」「ベルナルダ=アルバの家」とともにロルカの三大悲劇とよばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「血の婚礼」の意味・わかりやすい解説

血の婚礼
ちのこんれい
Bodas de sangre

ガルシア・ロルカの三幕劇。スペインの農村舞台にした作者の悲劇三部作の一つで、1933年に初演された。情念に引きずられた花嫁が以前恋仲だった男と婚礼の宴から逃げ、後を追った花婿と男がナイフで殺し合う宿命劇で、象徴的な役割の月と死が登場し、散文韻文、写実性と詩的幻想が融合した作品。

[菅 愛子

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世界大百科事典(旧版)内の血の婚礼の言及

【ガルシア・ロルカ】より

…1931年に第二共和政が成立すると,学生劇団〈バラーカ〉を組織して農村を巡演し,古典劇の普及につとめた。また,この頃から劇作に専念し,20世紀の演劇史に名をとどめる傑作を次々に発表したが,特筆すべきは農村を舞台に人間の本能の葛藤を扱った三大悲劇で,不幸な恋を描いた《血の婚礼》(1933),石女(うまずめ)の悲劇をテーマとした《イェルマ》(1934),そして独裁的な母親により,体面のために本能を抑圧された女たちを描いた《ベルナルダ・アルバの家》(1936)がそれである。彼の戯曲の特徴はその音楽性と造形美術的要素,つまり広い意味での詩的性格にあり,それゆえ,あくまでスペインの土俗的テーマを扱いながらもそれが普遍性を獲得し,世界的評価につながっていると考えられよう。…

※「血の婚礼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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