血胸(読み)ケッキョウ(その他表記)hemothorax

関連語 自然気胸

改訂新版 世界大百科事典 「血胸」の意味・わかりやすい解説

血胸 (けっきょう)
hemothorax

胸の中(胸腔)に血液が貯留した状態をいう。胸腔に隣接した部分の血管が破れ,血液が流出,貯留するためで,胸壁外傷,肺の損傷,動静脈の断裂破裂などにより発生する。気胸を起こして外気がともに貯留すると血気胸hemopeumothoraxの状態となる。一種出血であるから,量が多くなるときは外科的に止血しなければならない。また,貯留した血液が多いときは,血液が吸収されずに,胸腔の感染や貯留血液の器質化による呼吸障害を起こすため,貯留した血液を除去しなければならない。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「血胸」の意味・わかりやすい解説

血胸
けっきょう
hemothorax

胸腔内に血液が貯留した状態をいう。原因としては,外傷,結核悪性腫瘍出血性素因によるもの,動脈瘤の破裂などがあげられる。自然気胸から血気胸を起すことも多い。

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世界大百科事典(旧版)内の血胸の言及

【胸膜炎】より

…滲出液が膿性の場合には膿胸(または化膿性胸膜炎),血性の場合には血性胸膜炎とよばれる。なお,外傷や大動脈瘤破裂などにより胸膜腔内に血液が貯留するものは,とくに血胸とよばれる。
[原因]
 胸膜炎の原因はいろいろあるが,最も多いのは結核性胸膜炎,癌性胸膜炎であり,近年後者が増加している。…

【出血】より

…出血を起こした部位ないし臓器により,鼻出血,消化管からの吐血,大便に混じってみられる下血(吐血,下血を総称して消化管出血という。出血が少量のとき,〈潜出血〉といい,潜血反応によって確かめられる),気管支・肺からの喀血,尿への血尿などがあり,また胸腔内への血胸,心囊内への血心囊などがある。 全身の皮膚,粘膜,漿膜などに点状ないし斑状出血がみられる状態は紫斑と呼ばれる。…

※「血胸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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