もと仏像を車などに乗せて練供養(ねりくよう)することをいい、転じてそれに用いる像をいう。飾りたてた四輪車の上に、仏像を安置する客殿をつくり、こうした車を何台も連ねて街路を練り歩き、夜は灯明を捧(ささ)げて供養する。これは、諸仏、諸菩薩(ぼさつ)が空中を行くとき、こうした荘厳(しょうごん)を施した車に乗って行くという伝承によるもので、北魏(ほくぎ)の平城(大同)、洛陽(らくよう)で盛んに行われた記事が『洛陽伽藍記(がらんき)』にある。とくにまた西域(せいいき)地方でも盛んだったらしく、5世紀の法顕(ほっけん)、7世紀の玄奘(げんじょう)の旅行記にも詳しく記されている。
日本でも行われたらしいが、現存するものは少ない。兵庫県小野市の浄土寺には、60年ごとに行われる来迎会(らいごうえ)の行像に用いる2メートル余の阿弥陀(あみだ)立像がある。上半身裸形(らぎょう)で、これに衣を着せ、車に安置して引き歩いたもので、大きな像であるがきわめて軽くつくられ、像を支える心棒が台座から長く突き出しているのも、そのためである。
[永井信一]
『小杉一雄著『中国仏教美術史の研究』(1980・新樹社)』
梅雨の季節に入ること。つゆ入り。毎年6月中旬~7月中旬の約1ヵ月間,九州から東北地方は梅雨の季節に入る。これは,北方のオホーツク海高気圧と南方の小笠原高気圧とに挟まれて,揚子江流域から九州,四国,本州...