(読み)さん

精選版 日本国語大辞典 「衫」の意味・読み・例文・類語

さん【衫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 衣の通称
    1. [初出の実例]「不鉢水於浄人衫袖」(出典:永平道元禅師清規(13C中)赴粥飯法)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐魏将軍歌〕
  3. かざみ(汗衫)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「衫」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] サン
[字訓] ころも・ひとえ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は彡(さん)。〔説文新附〕八上に「衣なり」とするが、ひとえもの、はだぎ、そでなしのようなものをいう。〔釈名、釈衣服〕に「衫は(さん)なり。末を(き)りて袖端無きなり」とする。〔方言、四〕に「汗襦(かんじゆ)、或いは之れを襌襦(たんじゆ)と謂ふ」とあり、襌の音に近い。

[訓義]
1. ころも。
2. ひとえ。
3. はだぎ、そでなし。

[古辞書の訓]
名義抄〕衫 ナホシノコロモ・アヲシ/襴衫 スソツケノコロモ・ナホシノコロモ 〔字鏡集〕衫 タモト・ナヲシ・ナヲシノコロモ・アヲシ・ウヘノキヌ・カリキヌ

[熟語]
衫衣衫裙・衫子・衫袖・衫帯衫帽衫袍
[下接語]
衣衫・衫・汗衫・官衫・裾衫・夾衫・軽衫・黄衫・絳衫・朱衫・衫・春衫・新衫・襯衫・翠衫・青衫・衫・帯衫・単衫・紵衫・白衫・舞衫・袍衫・縫衫・帽衫・羅衫・襴衫・練衫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【衣服】より

…インドネシアなどのサロン,ミャンマーのロンギlongiなどがある。前開き型はアジア諸地域に多く,日本の着物,中国の衫(さん)(中国服),ベトナムのアオザイ,朝鮮のチョゴリなどに見られる。ズボン型はアジアの騎馬民族からヨーロッパに伝わり,貫頭衣などと組み合わされて今日の洋服の原型となった。…

【中国服】より

…しかし,全中国人口の94%を占める漢民族が,伝統的に身につけてきた服装が中国服であるとすれば,宋代以後の中国服は四つの基本衣によって構成された(中国古代の服装については,〈服装〉の項を参照されたい)。袍,襖,衫,褲がそれで,このうち袍,襖は袷(あわせ)または綿入れの秋冬着で袍は丈が長く,襖は丈が短い。衫は単(ひとえ)の春夏用でこれには丈の長い長衫と丈の短い短衫がある。…

※「衫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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