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軽衫 かるさん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

軽衫
かるさん

袴の一種で,筒が太く,裾口が狭いもの。裾には横布がついている。語源はズボンの意のポルトガル語の calção。当初の形態は風俗屏風や『歌舞伎草紙絵巻』から察せられるが,しだいに日本化して踏込袴裁付(たっつけ)山袴に近づき,当初の括緒(くくりお)袴様のものから,裾にひだをとって幅の狭い横布をつけた形態へと変化していった。最初は織田信長豊臣秀吉などもはいたが,18世紀に入ると庶民服飾の一部に取り入れられ,魚屋,呉服屋手代髪結い床の主人なども仕事着として利用し,19世紀には木曾街道の駕籠かきもはくようになり,しだいに都会から農村に入っていった。

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デジタル大辞泉の解説

カルサン【軽衫】

袴(はかま)の一種。上を緩めに仕立て、裾口に細い横布をつける。中世末に来日したポルトガル人のズボンをまねたもの。武士から町人まで着用したが、江戸時代には町人の労働着となった。現代でも農山村や寒い地方で野良着として用いる。裁っ着け。カルサン袴(ばかま)。

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百科事典マイペディアの解説

軽衫【かるさん】

労働用の山袴(ばかま)の一種。尻(しり)まわりはゆるやかで,裾(すそ)はひだをとってせばめ,筒形の裾継を付ける。脚絆(きゃはん)をつけるか,そのまま裾をくくって着用。
→関連項目もんぺ

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世界大百科事典 第2版の解説

かるさん【軽衫】

ズボンの一種。ポルトガル語のカルソンcalção(半ズボンの意)に由来。16~17世紀,スペインを中心に西欧で,詰物を入れて大きくふくらませた短いズボン(英語でトランクホーズ)が流行し,南蛮貿易に伴って日本にも渡来した。ふくらんだ半ズボンに長靴下をはいたポルトガル人の姿をまね,短い(はかま)に脚絆(きやはん)を付けて作ったものをかるさん(衫はあて字)と呼び,くるぶし丈のシャルワール型のズボンとともに,キリスト教信者や武士の間で愛好された。

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世界大百科事典内の軽衫の言及

【ズボン】より


[ズボンと日本人]
 古墳時代,埴輪に見られるように褌(はかま)と称するズボン風の脚衣が着用されていた。南蛮文化が渡来する16世紀後半から17世紀初期にかけて,スペイン人やポルトガル人の当時の独特な脚衣を反映した,〈裁付(たつつけ)〉とか〈軽衫(かるさん)〉と呼ばれた男子袴が着用されるようになった。それらは江戸時代を通じて,その機能性からして,まず武家社会に,ついで庶民生活にも広く浸透した。…

※「軽衫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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