袖の浦(読み)ソデノウラ

デジタル大辞泉 「袖の浦」の意味・読み・例文・類語

そでのうら【袖の浦】[地名]

神奈川県鎌倉市、七里ヶ浜別称
山形県酒田市、最上川河口付近の海岸。[歌枕
「―のなみ吹きかへす秋風に雲の上まで涼しかるらむ」〈新古今・雑上〉

そで‐の‐うら【袖の浦】

着物の袖が涙にぬれているのを、浦に見立てていう語。
「忍びねの涙たたふる―になづまず宿る秋の夜の月」〈山家集・中〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「袖の浦」の意味・読み・例文・類語

そで【袖】 の 浦(うら)

  1. 衣の袖が悲しみの涙にぬれているのを浦にたとえていう語。
    1. [初出の実例]「そでのうらに身をうしほやくあまなればみるめかづかであらむものかは」(出典:多武峰少将物語(10C中))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「袖の浦」の解説

袖の浦
そでのうら

最上川河口左岸一帯をいう。地名については弘法大師伝説、地形から発生したとする説がある。戦国時代末期まで最上川河口の湊は当地付近にあり、酒田湊とよばれて(「義経記」巻七)、広く知られていた。歌枕としても、「君こふる涙のかかるそでのうらはいはほなりともくちぞしぬべき」(拾遺集)中務の「そでのうらのなみふきかへす秋風に雲のうへまですずしからなん」(新古今集)など、多くの歌に詠み込まれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android