デジタル大辞泉 「被ける」の意味・読み・例文・類語 かず・ける〔かづける〕【▽被ける】 [動カ下一][文]かづ・く[カ下二]1 責任などを押しつける。人のせいにする。転嫁する。「罪を人に―・ける」2 かこつける。事寄せる。口実にする。「出張に―・けて私用を足す」3 頭にかぶせる。「まどゐする身に散りかかるもみぢばは風の―・くる錦なりけり」〈伊勢集〉4 被かずけ物として与える。「御衣みぞ脱ぎて―・け給ひつ」〈竹取〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「被ける」の意味・読み・例文・類語 かず・けるかづける【被】 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]かづ・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙① 頭にかぶらせる。上からおおう。[初出の実例]「まとゐする身に散りかかるもみぢばは風のかつくる錦なりけり」(出典:伊勢集(11C後))② ( 祝儀の衣装をいただくと、頭に乗せたり、肩にかけたりするところから ) 祝儀の品を与える。被物(かずけもの)を与える。[初出の実例]「御ぞぬぎてかつけ給ふつ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))③ かこつける。無理に理由づけをする。ことよせる。…のせいにする。[初出の実例]「病にかづけて寺へひきこみて参学をして居たぞ」(出典:三体詩絶句鈔(1620)二)④ いやがるものを押しつける。損失やまやかし物などを人にしょいこませる。責任や罪などを転嫁する。[初出の実例]「暮方より人に被(カツ)ける㒵なればとて」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)五)「何人(だれ)にもかづける事が出来ない」(出典:いたづら小僧日記(1909)〈佐々木邦訳〉) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例