かつ(読み)カツ

デジタル大辞泉 「かつ」の意味・読み・例文・類語

か・つ

[動タ下二]
できる。耐える。
淡雪あはゆきのたまれば―・てにくだけつつわが物思ひのしげき頃かな」〈古今・恋一〉
(動詞の連用形に付いて)…できる。…に耐える。
「玉くしげみもろの山のさな葛さ寝ずはつひにあり―・つましじ」〈・九四〉
[補説]否定助動詞を伴った「かてに」「かてぬ」「かつましじ」の形で用いられることが多い。→かてに

カツ

カツレツ」の略。「とんカツ」「くしカツ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「かつ」の意味・読み・例文・類語

か・つ

  1. 〘 自動詞 タ行下二段活用 〙
  2. [ 一 ] ( 補助動詞として用いられ、動詞の連用形に付いて ) …するに耐える、…することができるの意を表わす。多く未然形には打消の助動詞「ず」、終止形には打消の意志推量を表わす助動詞「ましじ」が接続する。→かてに
    1. [初出の実例]「大坂に 継ぎ登れる 石群(いしむら)を 手越(たご)しに越さば 越し介氐(カテ)むかも」(出典日本書紀(720)崇神一〇年九月・歌謡)
  3. [ 二 ] ( のちに独立して用いられ ) 耐える。
    1. [初出の実例]「あは雪のたまればかてにくだけつつわが物思ひのしげき頃かな〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋一・五五〇)

かつの補助注記

( 1 )[ 一 ]上代に特有の語。類義語に補助動詞「敢ふ」がある。→かてにがてに
( 2 )[ 二 ]の「古今集」の例について「和(か)てに」(…する一方ではの意)とする説もある。


かっ

  1. 〘 接頭語 〙 ( 接頭語「かき(掻)」の変化した語 ) 動詞、形容詞の上に付いて、その動作を強める。「(財布を)かっさらう」「(ボールを)かっとばす」など。
    1. [初出の実例]「カッヒイた弓のかかりは見くるしみ」(出典:俚言集覧(1797頃))

かっの語誌

動詞「か(掻)く」の連用形「かき」の促音便と説かれるが、激しい動作を表わす場合に限られており、たぶんに擬態・擬声語的要素が強い。江戸時代以降、俗語として用いられ、その口語的性格から待遇的に卑しめる場面での使用が多い。また、そのような語の特性を生かして、一掃爽快などのニュアンスを伴うことがある。


カツ

  1. 〘 名詞 〙カツレツ」の略。「豚(とん)カツ」「チキンカツ」など、語素のようにも用いる。〔音引正解近代新用語辞典(1928)〕
    1. [初出の実例]「それから、合宿で、恒例のテキにカツを食ひ、一杯の冷酒に征途をことほいだ後」(出典:オリンポスの果実(1940)〈田中英光〉三)

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「かつ」の解説

カツ

「カツレツ」の略。⇒カツレツ

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

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