袴腰山(読み)はかまごしやま

日本歴史地名大系 「袴腰山」の解説

袴腰山
はかまごしやま

松本市東方の筑摩ちくま山脈の中央に位置する標高一七五三メートルの山で、山頂の形が袴の腰板に似たところから古来袴腰とよばれてきた。袴越と書く場合もある。

「東筑摩郡村誌」によれば「北部の高山ナリ、高サ二百丈、東西二里三十町、渓水七条下流、山辺川(薄川)に合ス、村ノ卯ノ方ヨリ嶺巓れいてんヲ堺トシテ北ハ当国小県郡、其西ハ当郡岡本村并ニ里山辺村ニ属ス、山脈東ヨリ王ケ鼻ノ続キヲ西ニ聳ヘ弘法山・天ノ戸・高戸・袴腰・武石嶺たけしみね・桐原大蔵山ニわたリ、其ヨリ里山辺村・岡本村ノ山々ヲ経テ、同郡保福寺嶺(現四賀村錦部)ニ続クト云フ、南面嶺上ヨリ五、六以上ハ里山辺村ト共有ス、其以下本村私有ニ属ス、該山登路一条本村ノ西部ヨリ北ニ折レ、桐原大蔵山ヲ上ル、高サ二里十町嶮ニシテ稍近シ、之ヲ松本ヨリ小県郡中山道芦田駅ヘ通ズル武石越ノ間道トイフ。


袴腰山
はかまごしやま

城端町と上平かみたいら村との間にそびえる標高一一六三メートルの山。山形が袴の腰板に似ているところからきた山名。古くから城端町のシンボルとして人々に親しまれた。元禄八年(一六九五)蕉門の俳人路通は「城端十景」を選び作句したが、その一景に「袴腰晴雲」と題して「慇懃に月もかかるやはかまごし」と詠んだ。城端町から登山路がつけられている。山頂付近にはシャクナゲの大群落があって見事である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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