複合不況(読み)ふくごうふきょう(その他表記)combined recession

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複合不況」の意味・わかりやすい解説

複合不況
ふくごうふきょう
combined recession

経済学者,宮崎義一が同名の書で唱えた現在の世界不況への分析視角。 1980年代後半以降の不況には,従来景気循環だけではなく,日米欧で多発しているバブル崩壊現象が影を落しており,不況脱出策を見出すには,バブル形成を推し進めた金融自由化とそれによる企業金融の変化まで分析する必要があると説く。政府日銀はバブルと実態経済とを切離して考える傾向が強く,バブル崩壊によるストック面からの調整という側面を軽視したことが今回の不況を深刻化させたともいえるだけに,注目に値する。

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百科事典マイペディア 「複合不況」の意味・わかりやすい解説

複合不況【ふくごうふきょう】

バブル経済の崩壊に続く不況を表す言葉で,宮崎義一の同名著書(1992年)による。この不況の特徴は,単なる景気循環的なフロー在庫調整だけでなく,バブル崩壊による株や土地建物などストックの調整過程が重なり合っていることであるとする。国際的な金融自由化による資金の流動化が過剰流動性を招き,バブルの発生と崩壊を生む背景としてあげられている。

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