過剰流動性(読み)カジョウリュウドウセイ

デジタル大辞泉 「過剰流動性」の意味・読み・例文・類語

かじょう‐りゅうどうせい〔クワジヨウリウドウセイ〕【過剰流動性】

現金・預金などの流動性資産が、企業通常経営に必要な額以上になっている状態

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共同通信ニュース用語解説 「過剰流動性」の解説

過剰流動性

経済に必要な量を超えて出回るお金のこと。主に中央銀行が経済を刺激するため実施する金融緩和で生み出される。バブルにつながることも多く、1980年代後半の日本バブル経済も、円高不況に対応するための日銀利下げ原因一つとされる。新型コロナウイルス流行でも各国中銀が大量に資金供給し、株価などを押し上げた。

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精選版 日本国語大辞典 「過剰流動性」の意味・読み・例文・類語

かじょう‐りゅうどうせいクヮジョウリウドウセイ【過剰流動性】

  1. 〘 名詞 〙 通貨の供給が経済活動規模に比して過大である状態。また、企業の手元にある資金が必要量を超えている状態。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「過剰流動性」の意味・わかりやすい解説

過剰流動性
かじょうりゅうどうせい

現金や預金などの流動性が正常な経済活動に必要な適正水準を上回った状態をいう。財もしくはサービスに対する支出が増加しやすくなるため物価の上昇要因の一つとなる。古典的な金本位制度のもとでは国際収支の調整が黒字国と赤字国双方の責任においてなされるように仕組まれていたのに対し,第2次世界大戦後の国際通貨基金 IMF体制では,基軸通貨国であるアメリカは自国通貨で対外決済をなしえたため,そのような歯止めが働かず,流動性の過剰供給を長期的に助長する結果となった。日本においては 1971~73年と 85~88年の2回,過剰流動性が発生した。前者の場合には,国際収支の大幅黒字や金融緩和などが重なり,企業の余裕資金が土地や株式の購入に向い狂乱物価を招く要因となった。後者の場合には,ドル高是正を進める国際協調と円高不況への国内政策から公定歩合が史上最低に引下げられたため金融超緩和となり株式市場が活況を呈したが,物価は安定していた。

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世界大百科事典(旧版)内の過剰流動性の言及

【経営多角化】より

…(1)~(3)に比べて危険が大きい。 日本で戦後,多角化意欲が高まったのは70年代前半で,過剰流動性(貨幣・準貨幣が過剰なこと)のもとで企業は競って不動産やレジャー分野に進出した。これらは(4)のタイプだが,73年秋に襲った第1次石油危機後の不況によって多くの企業が失敗した。…

※「過剰流動性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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