過剰流動性(読み)かじょうりゅうどうせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「過剰流動性」の解説

過剰流動性
かじょうりゅうどうせい

現金や預金などの流動性が正常な経済活動に必要な適正水準を上回った状態をいう。もしくはサービスに対する支出が増加しやすくなるため物価の上昇要因の一つとなる。古典的な金本位制度のもとでは国際収支の調整が黒字国と赤字国双方の責任においてなされるように仕組まれていたのに対し,第2次世界大戦後の国際通貨基金 IMF体制では,基軸通貨国であるアメリカは自国通貨で対外決済をなしえたため,そのような歯止めが働かず,流動性の過剰供給を長期的に助長する結果となった。日本においては 1971~73年と 85~88年の2回,過剰流動性が発生した。前者の場合には,国際収支の大幅黒字や金融緩和などが重なり,企業の余裕資金が土地や株式の購入に向い狂乱物価を招く要因となった。後者の場合には,ドル高是正を進める国際協調円高不況への国内政策から公定歩合が史上最低に引下げられたため金融超緩和となり株式市場が活況を呈したが,物価は安定していた。

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精選版 日本国語大辞典「過剰流動性」の解説

かじょう‐りゅうどうせい クヮジョウリウドウセイ【過剰流動性】

〙 通貨の供給が経済活動の規模に比して過大である状態。また、企業の手元にある資金が必要量を超えている状態。

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デジタル大辞泉「過剰流動性」の解説

かじょう‐りゅうどうせい〔クワジヨウリウドウセイ〕【過剰流動性】

現金・預金などの流動性資産が、企業の通常経営に必要な額以上になっている状態。

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世界大百科事典内の過剰流動性の言及

【経営多角化】より

…(1)~(3)に比べて危険が大きい。 日本で戦後,多角化意欲が高まったのは70年代前半で,過剰流動性(貨幣・準貨幣が過剰なこと)のもとで企業は競って不動産やレジャー分野に進出した。これらは(4)のタイプだが,73年秋に襲った第1次石油危機後の不況によって多くの企業が失敗した。…

※「過剰流動性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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