西下経一(読み)ニシシタ キョウイチ

20世紀日本人名事典 「西下経一」の解説

西下 経一
ニシシタ キョウイチ

昭和期の国文学者



生年
明治31(1898)年5月10日

没年
昭和39(1964)年1月17日

出身地
岡山県津山市

学歴〔年〕
東京高等師範学校文二(国漢)〔大正11年〕卒,東京帝大国文学本科選科〔昭和2年〕卒

学位〔年〕
文学博士(東京大学)〔昭和28年〕

経歴
佐賀中学校教諭の後、東大選科、本科を卒業、昭和2年東大国文学研究室副手となり、源氏物語などの書誌を研究。4年第六高等学校教授を経て、戦後24年岡山大学教授、29年東京教育大学教授、36年定年退職後上智大学に務めた。古今集ライフワークで、著書「古今集の伝本の研究」「日本文学史―平安時代前期上」「和歌史論」「古今和歌集新講」「古今和歌集新解」「更級日記新釈」などがあり、「日本古典全書」「日本古典文学大系」の古今和歌集を担当した。30年山口正と「解釈」を創刊蔵書は初雁文庫として後進のため供し、没後国文学研究資料館に収蔵された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西下経一」の解説

西下経一 にしした-きょういち

1898-1964 昭和時代の国文学者。
明治31年5月10日生まれ。六高,岡山大,東京教育大,上智大などの教授を歴任平安時代文学,和歌史が専攻で,「古今和歌集」の研究で知られた。昭和39年1月17日死去。65歳。岡山県出身。東京帝大卒。旧姓河村著作に「古今集の伝本の研究」「更級(さらしな)日記新釈」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の西下経一の言及

【古今和歌集】より

…明治以後の業績は古写資料の公刊と整理が大きい。第2次大戦後の西下経一《古今集の伝本の研究》(1954)は古写本の系統論的研究の模範的な作で,以後の研究の基礎を置いた。久曾神昇《古今和歌集成立論》4冊(1960‐61)は多くの資料を収集,整理して詳細な解説を付し,独自の見解を加えたもので,《古今集》の研究はここに資料的基礎が置かれた。…

※「西下経一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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