西小川浦(読み)にしおがわうら

日本歴史地名大系 「西小川浦」の解説

西小川浦
にしおがわうら

[現在地名]小浜市西小川

加尾かお浦の北に位置し、東・北は山に囲まれ西は若狭湾に面する漁村。西小河とも記す(天保郷帳)。慶長七年(一六〇二)の若狭国浦々漁師船等取調帳(桑村家文書)によれば大小合わせて七艘の船があり、惣中で「かわさはあミ」を所持し、水夫一二人がいた。

広大な漁業海域をもち、他浦としばしば境目争論を起こしているが、阿納あのう浦との間では寛永一三年(一六三六)当浦に利分の裁許があり(→阿納浦以後、阿納地籍のみやうら辺りまで当浦の領分になったという。享保九年(一七二四)五月には加尾浦との間で新規網立をめぐって争論があり、八月に西小川浦より網場差止めの願書が出されたが(「加尾浦ト網場争論ニ付西小川浦願書控」北村家文書)、御用繁多の理由で享保一一年まで持越され、加尾浦が隔年ごとに網立することで決着がついた(「加尾浦火船網場ニ付請証文写」同文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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