朝日日本歴史人物事典 「西島蘭渓」の解説
西島蘭渓
生年:安永9.12.28(1781.1.22)
江戸時代後期の儒学者。江戸の人。名は長孫,字は元齢。蘭渓,坤斎などと号す。本姓下条氏。西島柳谷 の養子となり改姓。学問を林述斎 および柳谷に学ぶ。養父のあとをつぎ,江戸西久保に塾を構えた。朱子学を主としながらも拘泥せず,群書を博渉し,特に校勘の学をよくした。また人との交遊も盛んで,渋谷や深川に別荘を持ち,風流な生活を送っていた。著述は多く,『坤斎日抄』などの随筆にはおびただしい引用書がみえ,その博覧ぶりが発揮されているうえ,風俗資料として価値あるものもある。さらに『弊箒詩話』など,詩学にも一家言持っていた。
(高橋昌彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報