西楽々福神社(読み)にしささふくじんじや

日本歴史地名大系 「西楽々福神社」の解説

西楽々福神社
にしささふくじんじや

[現在地名]日南町宮内

宗教法人としての正式名称は楽々福神社。崩御ほうぎよ山の南麓に位置し、別当寺神宮じんぐう寺と並んで南面して日野川を望むように建つ。旧県社。主祭神は大日本根子彦太瓊命・細姫命・彦狭島命(伯耆志)。藩政期には楽々福大明神と称され、宮原みやばら(現溝口町)の楽々福大明神が口日野くちひの大社とよばれたのに対し、当社はひがし村の楽々福大明神(東楽々福神社)とともに宮内みやうち奥日野おくひの大社と称された。社名は笹葺の意ともいわれ(同書)一説に楽々(砂鉄)を福(吹く)から、鑪製鉄にかかわる神の意ともいわれる。日野郡総氏神とされた。「伯耆志」によると社地は東西四八間五尺・南北三二間、社殿は方三間四尺、鬼林きりん山・大倉おおくら山の牛鬼退治を行った孝霊天皇一行が行宮を建て、東社に天皇が、西社に皇后細姫(彦狭島命ともいう)が座したという。また鬼平定に勲功のあった御子の大吉備津彦命を西社に、若建吉備津彦命を東社に祀るとも伝える(県神社誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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