西谷退三(読み)ニシタニ タイゾウ

20世紀日本人名事典 「西谷退三」の解説

西谷 退三
ニシタニ タイゾウ

昭和期の翻訳家 「セルボーン博物誌」の翻訳者。



生年
明治18(1885)年7月21日

没年
昭和32(1957)年6月25日

出生地
高知県高岡郡佐川村(現・佐川町)

本名
竹村 源兵衛

学歴〔年〕
札幌農科大学中退

経歴
父との約束により札幌農科大学を予修科2年で中退するが、在学中にギルバート・ホワイトの「セルボーンの博物誌」を読んで感銘を受け、その翻訳を志す。のち帰郷して実家の薬種問屋を継いだが、大正12年家業を整理してアメリカ・イギリス遊学。その間に「セルボーンの博物誌」の初版以来の版本を収集。帰国後、郷里に籠もり約50年にわたって独自に同書の翻訳を進めた。しかし、雑誌「動物文学」に寄稿した以外は文章を発表せず、専ら書画骨董の収集を行い、隠棲のような生活を送った。没後、友人の小説家森下雨村らの尽力により生前訳了した「セルボーンの博物誌」が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西谷退三」の解説

西谷退三 にしたに-たいぞう

1885-1957 昭和時代の翻訳家。
明治18年7月31日生まれ。大正12年アメリカ,イギリスに遊学。ロンドンでギルバート=ホワイト「セルボーンの博物誌」の初版以来の版本を収集,帰国後郷里の高知県で生涯その翻訳に専念した。死後,森下雨村らによって出版された。昭和32年6月25日死去。71歳。札幌農学校中退。本名は竹村源兵衛。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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