精選版 日本国語大辞典 「見返」の意味・読み・例文・類語
み‐かえし ‥かへし【見返】
〘名〙
① 見返すこと。
※曾我物語(南北朝頃)四「まなこの見かへし、かほたましひ、すこしもたがふ所なし」
※三四郎(1908)〈夏目漱石〉三「本の見返(ミカヘ)しの空いた所に」
み‐かえ・す ‥かへす【見返】
〘他サ五(四)〙
① 後方を、ふりむいて見る。ふりかえる。見返る。
※宇治拾遺(1221頃)一「はやくきつね、み返しみ返しして、前にはしり行」
② 一度見たものをあらためて見直す。繰り返して何度も見る。
③ 見られた人を、逆にこちらからも見る。また、見られた仕返しに見る。
④ 以前にあなどりを受けた相手に、仕返しとして、立派になった自分を誇示してみせつける。
み‐かえ・る ‥かへる【見返】
〘他ラ五(四)〙
① うしろを、ふりむいて見る。ふりかえってみる。かえりみる。
※観智院本三宝絵(984)中「見かへりたれば、男三人附て来る」
② 心にかける。面倒をみる。世話する。かえりみる。
※今鏡(1170)四「宇治殿の御ともにおはしけるに、わざと据ゑまさむとおぼして、みかへりて久しくものし給ひけるにも」
③ 思い直す。思い返す。
※浄瑠璃・菅原伝授手習鑑(1746)一「思ひ切てはいかな事見返らぬ夫のお心」
④ =みかえる(見変)③
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「人の感情を弄んだの本田に見返ったのといろんな事を云って讒謗して」
み‐かえり ‥かへり【見返】
〘名〙
① 見返ること。ふりかえること。
※宇治拾遺(1221頃)四「此女、時々はみかへりなどすれども」
② 相手のしてくれたことにこたえて何かをすること。特に、保証・担保・代償としてさし出すこと。また、そのもの。
※経済実相報告書(1947)二「食糧輸入等の見返りとして輸出に殆んど全部を振向けねばならぬし」
みえ‐かえ・る ‥かへる【見返】
〘自ラ四〙 繰り返し見える。なんべんも見える。
※万葉(8C後)一二・二八九〇「ぬばたまの夜を長みかも吾が背子が夢に夢にし所見還(みえかへる)らむ」
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