親・祖(読み)おや

大辞林 第三版の解説

おや【親・祖】

子を生んだ人、または、他人の子を自分の子として養い育てる人。実父母・養父母の総称。 《親》 「生みの-より育ての-」 「養い-」
子をもっている生物。 《親》 「 -鳥」
他の物を生ずるもととなるもの。 《親》 「 -芋」
物事の中心になるもの。 《親》 「 -会社」
同種のもののうち、大きなもの。 《親》 「 -指」
勝負事の際、札配りなど競技の中心的な役割にあたる人。また、その役。 《親》
無尽・入札などの際の発起人。 《親》
▽⇔
もののはじめ。元祖。 《祖》 「物語の出できはじめの-なる竹取の翁に/源氏 絵合
祖先。 《祖》 「人の子は-の名絶たず/万葉集 4094」 「遠つみ-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

おや【親・祖】

〘名〙 人を生んで養育し、または人の上に立って指導的な役割を果す人物。
① 子を生んだ人。また、他人の子供を自分の子供として養い育てる人。父母、養父母の総称。烏帽子親などの仮親をもいい、また、動物にもいう。⇔
※書紀(720)推古二一年一二月・歌謡「飯に飢(ゑ)て 臥(こや)せる その旅人あはれ 於夜(オヤ)無しに 汝(なれ)(な)りけめや」
② 祖先。祖父母、曾祖父母とさかのぼって、祖先の人々を総称する語。とおつおや。
※古事記(712)序「乾坤(けんこん)初めて分れて、参神造化の首と作(な)り、陽陰斯(ここ)に開きて、二霊群品の祖(おや)と為りき」
③ (比喩的に) 元祖(がんそ)。もののはじめ。物を生じるもとのもの。⇔
※源氏(1001‐14頃)絵合「まづ物語の出できはじめのおやなる竹取の翁に、宇津保の俊蔭を合はせて争ふ」
④ 上に立つもの。長。かしら。また、第一人者。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「国のおやとなりて、帝王のかみなき位にのぼるべき相おはします人の」
⑤ 中心になるような、おもだったもの。大小相対するもののうちの大きな方。「親会社」「親指」など、他の語と熟して用いることが多い。⇔
雑俳・五色墨(1809)「親も子もぐたついて来た古障子」
⑥ 刀剣の柄に巻く鮫皮(さめがわ)の表面の小さな粒の間に混じる大きな粒。
※雑俳・柳多留‐三八(1807)「鮫でさへ親がなければ安くされ」
⑦ 遊戯などのリーダー。⇔子。
(イ) カルタなどの賭博で、札を配り最初に札を打つ人。前の場の得点の最も多い者がなるのがふつう。
※咄本・鹿の巻筆(1686)三「おやがうちきろふと云により、二くづした」
(ロ) 麻雀、トランプ、カルタなどのゲームで、最初に牌(パイ)や札(ふだ)を出す人。
⑧ 無尽などの発起人。
⑨ 入札の際の売り主。
⑩ 「おやかぶ(親株)」の略。

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