言消(読み)いいけす

精選版 日本国語大辞典 「言消」の意味・読み・例文・類語

いい‐け・す いひ‥【言消】

〘他サ五(四)〙
他人の言葉を打ち消す。言葉で、ある事柄を打ち消す。いいけつ。〔羅葡日辞書(1595)〕
浄瑠璃傾城反魂香(1708頃)中「祝言の咄が出たらいひけしてくださんせと」
② 自分の前言を言い替える。前言を取り消す。
※化銀杏(1896)〈泉鏡花〉一〇「お貞はみづから其言過しを恥ぢたる色あり。『これは談話(はなし)さ』と口軽に言消(イヒケ)して」
③ 非難する。価値を認めないで悪く言う。けなす。いいけつ。
社会百面相(1902)〈内田魯庵貧書生「君は小説を能く知らんから一と口に戯作(げさく)と言消して了うが」

いい‐け・つ いひ‥【言消】

〘他タ四〙
源氏(1001‐14頃)松風「わざとはなくていひけつさま、みやびかによし」
② 言いかけて中止する。言うのを略す。言いさす。
※源氏(1001‐14頃)椎本「すゑはいひけちて、いといみじくしのびがたきけはひにて」
※源氏(1001‐14頃)帚木光源氏、名のみことごとしう、いひけたれ給ふ咎多かなるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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