精選版 日本国語大辞典 「誂」の意味・読み・例文・類語
あつら・える あつらへる【誂】
〘他ア下一〙 あつら・ふ 〘他ハ下二〙
① 頼む。頼んで自分の思うとおりにさせる。
※書紀(720)天武一〇年五月(北野本訓)「或いは其の門に詣りて、己が訟を謁(アツラフ)」
※落窪(10C後)三「またあつらへたる様(やう)に、かしこの人の集まりたるは」
② 注文して物を作らせる。依頼して物を作らせる。
※宇治拾遺(1221頃)五「仮名暦(かなごよみ)あつらへたる事」
あとら・う あとらふ【誂】
〘他ハ下二〙 相手に、誘いかける。頼んで自分の思うようにさせようとする。あつらえる。
※書紀(720)履中即位前(図書寮本訓)「刺領巾、其の誂(アトラヘ)たまふ言を恃(たの)む」
※観智院本名義抄(1241)「談 アトラフ〈略〉 アトラフ」
あつら・ゆ【誂】
〘他ヤ下二〙 (ハ行下二段動詞「あつらう(ふ)」から転じて、室町時代頃から用いられ、多く終止形は「あつらゆる」) =あつらえる(誂)
あつら・う あつらふ【誂】
〘他ハ下二〙 ⇒あつらえる(誂)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報