課業管理(読み)かぎょうかんり(英語表記)task management

翻訳|task management

日本大百科全書(ニッポニカ) 「課業管理」の意味・わかりやすい解説

課業管理
かぎょうかんり
task management

科学的管理法の中核部分をなす管理方式の一つ。まず作業を科学的に分析研究して、公正な1日の標準作業量である課業タスク)を設定する。その課業を指導票によって各作業者に指示し、専門化された作業管理者がその遂行を指導し、課業を達成したか否かによって報酬に差がつけられる。課業管理はF・W・テーラーが開発したため、テーラー・システムともよばれる。

[森本三男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「課業管理」の意味・わかりやすい解説

課業管理
かぎょうかんり
task management

作業の管理方式の一つで,労働者の課業を合理的に決定し,それによって賃率の決定を合理化して,さらにこれを基準として生産活動計画的に実施しようというもの。 F.W.テーラーが考案し,みずから名づけたもので,テーラー・システムとも呼ばれる。テーラーはまず労働者の行うべき公平な1日の作業量たる「課業」を,時間研究と動作研究により決定した。これらの課業標準に従って作業の計画と統制を行うため,「標準管理」ともいわれている。そして労働者自体をも科学的に選択し,時間・動作研究により標準化された作業を訓練して作業を行うための条件を整え,一方では差別的出来高払制度などを取入れて,「科学的管理」と呼ばれるものをつくりあげていった。

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世界大百科事典(旧版)内の課業管理の言及

【科学的管理法】より

…この標準時間によって,1日の課業を決定し,その目標に達した労働者には高い単価で出来高払賃金を支払い,達成できないものには低い賃率で支払う異率出来高払賃金制度もテーラーの提唱した方法である。この目標を達成させるために,課業管理task managementといわれる指導・統制体制を発案した。課業管理の第1は生産計画・課業設定・訓練などを担当する計画部と生産現場部門の分離であり,管理部門のはしりとされる。…

※「課業管理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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