貝桶(読み)カイオケ

デジタル大辞泉 「貝桶」の意味・読み・例文・類語

かい‐おけ〔かひをけ〕【貝×桶】

貝合わせ貝殻を入れるふた付きの桶。八角六角・四角・丸形などがあり、地貝じがい用と出し貝用と2個で一組となる。蒔絵まきえを施し、江戸時代には嫁入り道具一つとされ、現在でも雛道具の一つとなっている。 春》

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精選版 日本国語大辞典 「貝桶」の意味・読み・例文・類語

かい‐おけかひをけ【貝桶】

  1. 貝桶〈東京国立博物館蔵〉
    貝桶〈東京国立博物館蔵〉
  2. 〘 名詞 〙 貝合わせの貝を入れる桶。地貝用のものと出貝(だしがい)用のものと二個で一組。中世、嫁入り道具の一つとされた。多く八角形印籠蓋(いんろうぶた)で、表面には源氏絵を描いたり蒔絵を施したりした。
    1. [初出の実例]「貝などまきたる井出形の、くち一尺一二寸なるかいおけふたつ」(出典:たまきはる(1219))

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世界大百科事典(旧版)内の貝桶の言及

【貝覆】より

…ついで,場の中央に出貝を一つずつ伏せて出し,その外側の地模様に合う地貝で出貝をすくい取り,多く取った者を勝ちとするが,合せ方には儀礼的な作法がきめられている。室町時代末期から江戸時代には,貝の内側に装飾として極彩色で絵を描いたり,貝を入れておく貝桶も蒔絵などの豪華なものが作られ,貝桶一対は上流階級の婚礼調度の一つとなった。これは,貝殻が他の貝には合わぬということになぞらえたもの。…

※「貝桶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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