貢ぎ（読み）ミツギ

デジタル大辞泉

み‐つぎ【貢ぎ／^▽御^▽調／^▽調】

［名］(スル)《古くは「みつき」》
１ 支配下にある国や人民が服従のしるしとして君主に献上する物品。みつぎもの。
２ 「調ちょう1」に同じ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

み‐つぎ【貢・調・御調】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 古くは「みつき」。「み」は接頭語 )
   1. ① 神に供えたもの。神々にたてまつるために貢献されたもの。
      1. [初出の実例]「四方の国の献れる御調(みツキ)の荷前取り並べて」(出典：延喜式（927）祝詞（九条家本訓）)
   2. ② 天皇に貢献されたもの、貢献するもの。また、ひろく貢賦一般をいう。
      1. [初出の実例]「天皇、〈略〉賦(ミツキ)を軽くし、斂(をさめもの)を薄くして」(出典：日本書紀（720）仁徳六七年是歳（前田本訓）)
   3. ③ 令制で、租・庸・調などの賦課のうちの調のこと。成人男子に課せられる人頭税で、その土地の産出物を納めるもの。布・施(あしぎぬ)などのほか、特産の海産物などがある。
   4. ④ 属国から服属のしるしとして貢献されるもの。
      1. [初出の実例]「新羅人、朝貢(ミツキたてまつ)る」(出典：日本書紀（720）仁徳一一年是歳（前田本訓）)
   5. ⑤ ( ━する ) 献上すること。
      1. [初出の実例]「吾儕(ともがら)なほ心を竭(つく)して調(ミツギ)し奉るべきに」(出典：読本・椿説弓張月（1807‐11）後)
   6. ⑥ ⇒みつぎ（見継）②
2. [ 2 ] ( 御調 ) 広島県の南東部の郡名。芦田川支流の御調川の流域にあり、瀬戸内海の向島などの島嶼を含む。

出典　精選版 日本国語大辞典