貨幣地代(読み)かへいちだい(その他表記)money rent; Geldrente

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貨幣地代」の意味・わかりやすい解説

貨幣地代
かへいちだい
money rent; Geldrente

生産物地代に対する言葉で,貨幣で支払われる地代。現代においては地代は当然貨幣で支払われているが,貨幣地代が経済学上一つの意味をもってくるのは封建社会末期においてである。封建社会においては,農民は農奴として自己の再生産に必要な以外の剰余生産物を地代の形で領主に強制的に収奪されていた。この封建地代は歴史的経過として労働地代,生産物地代,貨幣地代の3つの形態をたどるが,貨幣経済浸透とともに,領主の関心が貨幣収入に集中し,農民と領主のつながりも従来の伝統的強制が次第に弱まり,貨幣的契約関係に移行することとなる。貨幣地代はこの時代の地代支払形態で,この関係がさらに進展すると農民は自己の農奴的地位を貨幣の力で買戻し独立自営農民に転化していく。

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百科事典マイペディア 「貨幣地代」の意味・わかりやすい解説

貨幣地代【かへいちだい】

貨幣で納める地代。労働で納める労働地代や生産物で納める現物地代に対する語。封建社会は現物経済の支配する社会であるが,商品生産発展につれ,地代も貨幣で納められるに至り,貨幣地代は封建地代最後の発展形態をなす。
→関連項目金納小作料

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