精選版 日本国語大辞典 「質物」の意味・読み・例文・類語 しち‐もつ【質物】 〘 名詞 〙① 質に入れる物。しちぐさ。しちもの。しちもち。[初出の実例]「質物家壱区」(出典:正倉院文書‐続修二一・宝亀三年(772)二月二五日・丈部浜足月借銭解)「利を得るにして工(たくみ)て置捨の質物(シチモツ)万の似物」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)四)② 日常の生活に必要な品物。物品。[初出の実例]「家中に毎事倹約を行うて、一切の質物(シチモツ)共も古き物を用ふ」(出典:太平記(14C後)三五)③ 人質。[初出の実例]「若御用心之儀も思召可有候へば、母にてまします人を、岡崎迄しち物に可進と被仰て」(出典:三河物語(1626頃)三)④ キリシタンで、信仰の証しとなるもの。[初出の実例]「コレ スナワチ エラビイダサレタマウ ヒトビトノ アイジルシ、ヲワリナキ クヮトクノ xichimot(シチモツ) ナリ」(出典:コンテムツスムンヂ(捨世録)(1596)三) しち‐もの【質物】 〘 名詞 〙 =しちもつ(質物) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
世界大百科事典(旧版)内の質物の言及 【質】より …質権[古代] 律令法における質は,占有質と無占有質(こんにちの質と抵当)とを含んだものであり,また動産質と不動産質を区別していなかった。奈良時代の月借銭(げつしやくせん)などでは,動産,不動産が質物としてあげられている。ただし,不動産質である田宅の質入れを禁止する法令が751年(天平勝宝3)以後何度か出された。… ※「質物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」