デジタル大辞泉 「賺す」の意味・読み・例文・類語 すか・す【×賺す】 [動サ五(四)]1 機嫌をとって、こちらの言うことを聞き入れるようにさせる。「子供を―・して寝させる」「おどしたり―・したりして行かせる」2 言いくるめてだます。「弟を―・しておやつを取り上げる」3 相手をうまくその気にさせる。おだてる。「仲人なかだちのかく言ことよくいみじきに、女はまして―・されたるにやあらむ」〈源・東屋〉[類語]あやす・宥なだめる・宥めすかす 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「賺す」の意味・読み・例文・類語 すか・す【賺】 [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 相手の心の中にうまく働きかけて、警戒心や緊張を解き、こちらの思うつぼにはめる。① あおりたてて誘う。うまく相手の気持をそそる。おだてる。[初出の実例]「残りを言はせむとて、さてさて、をかしかりける女かなと、すかい給を」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)② 言いくるめてだます。だまし誘う。[初出の実例]「いかなる人のすかすならんとつつましかりければ」(出典:大和物語(947‐957頃)御巫本附載)③ なぐさめて、気持を変えるようにする。なだめる。機嫌をとる。[初出の実例]「語らひ給ふ御様のをかしきに、すかされたてまつりて、〈略〉少しづつかたり聞え給ふぞ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)早蕨)「啼(なき)わめく子共を、すかしなぐさめ」(出典:談義本・教訓雑長持(1752)二)[ 2 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。[初出の実例]「もし、こもりゐて、すかする人もこそあれ、と思ひて」(出典:平中物語(965頃)三六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例