ナシ、リンゴおよびタバコの重要病害。ナシ、リンゴの赤星病はサビキンの一種であるギムノスポランギウムGymnosporangium属菌の寄生によっておこる。4月から7月にかけて、ナシ、リンゴの葉に橙黄(とうこう)色の小さい斑点(はんてん)ができ、しだいに拡大して黄褐色の斑点になる。葉の裏面はややこぶ状に盛り上がり、毛状の突起が多数形成されている。これは病原菌の銹子(しゅうし)器で、これから多数のさび胞子が放出される。7月以降は、さび胞子が中間宿主のビャクシン類に達して発芽し、寄生して冬を越す。発生が多いと早期落葉して大きな被害を受ける。
この病気はナシまたはリンゴとビャクシン類に交互に寄生(異種寄生)するため、ビャクシン類が庭木として多く栽植されている住宅地の近くのナシ園でとくに発生が多い。防除には、園の近くにあるビャクシン類を除去するのがもっとも有効な方法である。なおナシの菌とリンゴの菌は寄生性が異なり、ナシの菌はナシのほかマルメロ、ボケ、カリンに、リンゴの菌はリンゴのほかズミ、カイドウに寄生する。
タバコ赤星病は、これらとはまったく異なるアルテルナリア・アルテルナタAlternaria alternataという菌の寄生により、葉に輪紋のある褐色の径1センチメートルほどの斑点ができる。
[梶原敏宏]
…おもな病気としてはビャクシンや近縁種にもつさび病があり,春に幹・枝・葉に紫褐色の寒天状の塊を生じる。このさび病菌の1種は,ビャクシン類を中間宿主として,ナシ,ボケ,カリンなどの赤星病を起こし重大な被害を与える。したがって,両者の栽培地は互いに隔離しておく必要がある。…
…ただ,夏胞子はコムギに感染性をもっているので,機会と条件が整えば夏胞子により何回もコムギに銹病を起こさせることが可能である。ナシ赤星病も銹病の一種である。この銹病菌の中間寄主はビャクシン,カイヅカイブキである。…
※「赤星病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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