カイドウ(読み)かいどう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイドウ」の意味・わかりやすい解説

カイドウ
かいどう / 海棠
[学] Malus halliana Koehne

バラ科(APG分類:バラ科)の落葉高木。ハナカイドウともいう。中国原産。高さ3~7メートルになり、小枝が刺(とげ)になることがある。葉は互生し、卵形ないし長楕円(ちょうだえん)形、長さ4~8センチメートル。4~5月、一重または半八重の紅色の花が散形状につき、下垂して開く。花径3~5センチメートル、萼(がく)は暗紅色萼筒の下部が膨らむ。果実球形、径5~8ミリメートルで、10~11月に暗赤色に熟す。同属のミカイドウナガサキリンゴともよび、江戸時代にはこれをカイドウといい、カイドウ(ハナカイドウ)をスイシカイドウ(垂枝海棠)といった。

 庭木、盆栽、切り花に賞用される。適湿の肥沃(ひよく)地を好み、剪定(せんてい)も可能。繁殖は接木または挿木による。

小林義雄 2019年12月13日]



カイドゥ
かいどぅ

ハイドゥ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイドウ」の意味・わかりやすい解説

カイドウ(海棠)
カイドウ
Malus halliana

バラ科の落葉低木。中国原産であるが江戸時代に渡来し,庭木として広く栽培される。春に,リンゴに似た淡紅色の花が3~7輪垂れて咲く。スイシカイドウとかハナカイドウとも呼ぶ。これに似て 3.5~4cmの黄色の果実のなるものをミカイドウと呼ぶ。

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