赤緑色覚異常(読み)セキリョクシキカクイジョウ

デジタル大辞泉 「赤緑色覚異常」の意味・読み・例文・類語

せきりょく‐しきかくいじょう〔‐シキカクイジヤウ〕【赤緑色覚異常】

赤と緑を識別しにくい色覚異常先天色覚異常のほとんどがこれにあたり、日本人では男性の20人に一人女性の500人に一人にみられる。また、視神経網膜などの疾患に伴って後天的に起こることもある。→先天赤緑色覚異常青黄色覚異常

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤緑色覚異常」の意味・わかりやすい解説

赤緑色覚異常
せきりょくしきかくいじょう

先天色覚異常のうち二色覚(二色型色覚異常)に属し、その色覚は赤と緑の適当な混合で表される。旧称赤緑色盲スペクトルを見せると2種の光線だけからなるように見え、すべてのスペクトル光が、2色のスペクトル光で等色することができる。波長は500ナノメートルの緑青色付近が灰色に見える。これを中性帯といい、これより長波長側が黄色、短波長側が青に見える。これを赤緑色覚異常といい、1型二色覚(旧称は赤色盲、第1色盲)と2型二色覚(旧称は緑色盲、第2色盲)に分けられる。1型二色覚ではスペクトルの赤色端が短縮して、赤の感覚がもっとも悪く、暗く見える。2型二色覚ではスペクトルの短縮はないが、緑の感覚がもっとも悪い。アノマロスコープで検査すると、赤色光と緑色光の混合で黄色光をつくるとき、1型二色覚では赤を、2型二色覚では緑を多量に必要とする。

 なお、イギリスの化学者ドルトンが色覚異常について最初に記述したことから、欧米では先天性の色覚異常(赤緑色覚異常)をドルトニズムとよんでいる。

[太田安雄]

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