越堀村(読み)こえぼりむら

日本歴史地名大系 「越堀村」の解説

越堀村
こえぼりむら

[現在地名]黒磯市越堀

白河しらかわ丘陵南部にあり、東は稲沢いなざわ(現那須郡那須町)、南は那珂川を隔てて鍋掛なべかけ村、北は杉渡戸すぎわたど村。慶安四年(一六五一)の「下野一国」に「越堀新田村」とみえる。宇都宮宿から七番目の奥州街道宿場近世は黒羽藩領。もと東方ごう川沿いに集落があり、慶長九年(一六〇四)頃北東から南西に奥州街道が通ると、那珂川近くの街道沿いに町場が形成された。一説では、寛永年間(一六二四―四四)仙台藩主伊達氏が参勤交代で江戸に上る途中、増水のために那珂川を渡れず、人家のない那珂川左岸の地に仮屋を建てて宿泊した。このとき仮屋の建築に尽力した沼井ぬまのい(現那須町)の藤田重統はその仮屋を与えられ、これをもとに旅籠を建築、のち当村の大部分の者が同地に移住し、旅人相手の商売を始めたという。藤田重統の墓碑には「越堀一町草創碑」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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