足らう(読み)タラウ

デジタル大辞泉 「足らう」の意味・読み・例文・類語

たら・う〔たらふ〕【足らう】

[動ワ五(ハ四)]
資格力量などが十分に備わっている。
「それほど自分は―・わぬものであろうか」〈紅葉多情多恨
十分である。満足である。
「―・ワヌコトナシ」〈和英語林集成
「―・はで悪しかるべき大事どもなむかたがた多かる」〈帚木

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精選版 日本国語大辞典 「足らう」の意味・読み・例文・類語

たら‐・う‥ふ【足う】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 ( 動詞「たる(足)」の未然形接尾語「ふ」の付いたもの )
  2. 十分になる。満足な状態になる。
    1. [初出の実例]「優崇(あか)め賜(めく)みたまひて、乏少(タラハぬ)こと无からしむ」(出典日本書紀(720)顕宗元年二月(図書寮本訓))
    2. 「少(すこし)心ざしはありといへども、事足(タ)らはずして」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)
  3. 十分資格が備わる。資格がある。
    1. [初出の実例]「おももち・あゆまひ、大臣といはむに、たらひ給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)

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