(読み)あなうら

精選版 日本国語大辞典 「蹠」の意味・読み・例文・類語

あ‐な‐うら【蹠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あ」は「足」、「な」は「の」の意 ) 足のうらあしうら。
    1. [初出の実例]「足の跌(アナうら)高く平に好く」(出典:大智度論天安二年点(858)八九)
    2. 「獄卒棒を以て頭よりあなうらに至るまで皆打ちくだく」(出典:日蓮遺文‐主師親御書(1255))

蹠の語誌

( 1 )新撰字鏡」に見られる「足乃宇良」が、掌を指す「たなうら」からの類推で「あなうら」に変わったものとも考えられる。
( 2 )中古、「あなうら」と「あしのうら」との両形が行なわれていた。「あなうら」は男性語として一般語化し、女性の間では、「あしのうら」が好まれていたようである。中世以降、「あしのうら」が一般語化し、「あなうら」は、主に雅語的な表現で用いられるようになった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「蹠」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音] セキ・ショ
[字訓] ふむ・あしうら

[説文解字]

[字形] 形声
声符は庶(しよ)。〔説文二下に「楚人(そひと)、跳することを謂ひて蹠と曰ふ」とあり、〔方言、一〕にも「跳、~楚にては蹠と曰ふ」という。〔広雅、釈詁一〕に「履(ふ)むなり、行くなり」とあり、また、あし、あしのうらをいう字である。

[訓義]
1. ふむ、ゆく、いたる。
2. おどる。
3. あし、あしうら。
4. つまだつ、そびえる、ねがい、のぞみ。

[古辞書の訓]
名義抄〕蹠 アナウラ・アトフム・ケダモノ・ツマヅク 〔字鏡集〕蹠 アシアト・フム・アナウラ・ケダモノ・アト・ヌスミ・ツマヅク

[熟語]
蹠空蹠硬蹠実蹠地蹠徒・蹠
[下接語]
遠蹠・鶏蹠・食蹠・千蹠・仙蹠

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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