改訂新版 世界大百科事典 「農業近代化資金助成法」の意味・わかりやすい解説
農業近代化資金助成法 (のうぎょうきんだいかしきんじょせいほう)
農業基本法にもとづく農業政策の一環として,農家や農業協同組合などの近代化投資を推進するために,財政資金で利子補給を行って借手の金利負担を軽減することを定めた法律。1961年成立。本法によって利子補給される資金が農業近代化資金である。借手の負担金利(年利)は7分5厘以内,償還期限は20年以内と定められており,長期・低利の農業資金である。制度金融の一種。融資は農協等の融資機関を通じて行われ,その機関に国と都道府県が利子補給を行う。融資対象となるのは,施設(農業用の建物),農機具,果樹,家畜,土地改良などへの投資であるが,前2者が主である。施設園芸や畜産の発展および農業の機械化に大きく貢献した。1996年度末現在の農業近代化資金の融資残高は約8670億円。農林漁業金融公庫資金と並ぶ政策的農業金融の柱の一つであるが,近年,融資件数は減少している。
→農業金融
執筆者:荏開津 典生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報