辺町(読み)あしべちよう

日本歴史地名大系 「辺町」の解説

辺町
あしべちよう

面積:四五・一一平方キロ

壱岐島の北東部に位置し、北部から東部にかけては玄界灘に臨む。島内の三分の一を占める面積で、西は勝本かつもと町、南は石田いしだ町・ごううら町に接する。北東部の海岸は赤瀬あかせ鼻・魚釣うおつり崎・竜神りゆうじん崎などが形成され、竜神崎の南は深い入江に恵まれている。その南東長者原ちようじやばる崎が突出し、その南に内海うちめが広がる。町の南端を流れる幡鉾はたほこ(二級河川)のほか大左右たいそう川・谷江たにえ川・うめ川があり、うち幡鉾川は流路延長九・二五キロ、流域面積三二五・六四平方キロで、物部田ものべた原・木田田きだた原・深江田ふかえた原といった島内でも有数の平野部を流れ、灌漑用水となっている。同川が流入する内海あお島・あか島・島・伊佐いさ島・星の小ほしのこ島・はこ島・コツネなどの島があり、カブトガニ生息でも知られる。その南東約六キロにある島はくじら島・鵜の糞うのくそ島・ほん島・まえ島・ひら瀬からなり、前島には灯台がある。国道三八二号、県道の郷ノ浦―芦辺線・もと―芦辺線・国分こくぶ箱崎はこざき線、主要地方道の勝本―石田線があり、芦辺港からは福岡県博多港と結ぶフェリーが出ている。

石田町にまたがる弥生時代の原の辻はるのつじ遺跡では三重の環濠に囲まれた約二四ヘクタールに及ぶなかに掘立柱建物遺構、板塀を伴う祭殿とされる遺構、竪穴住居跡群、床大引を用いた高床建造物、甕棺墓群などが検出され、漁労を盛んに行っていたことや、朝鮮半島や中国大陸との交流があったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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