迎火(読み)むかえび

精選版 日本国語大辞典 「迎火」の意味・読み・例文・類語

むかえ‐びむかへ‥【迎火】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 盂蘭盆の最初の日に、祖先の御霊や死者の霊を迎えるために門前や近くの川のほとりなどでたく火。むかいび。⇔送り火。《 季語・秋 》
    1. 迎火<b>①</b>〈五節供雅童講釈〉
      迎火〈五節供雅童講釈〉
    2. [初出の実例]「これとどめられまゐらせじとて、むかへびをつくりて朝家をおどしまゐらする事もあるべからず」(出典:愚管抄(1220)七)
  3. 貴人の葬礼のおり、棺を墓所まで先導するために照らす火。また、その役目の人。
    1. [初出の実例]「今夕、左府北政所御葬礼云々〈略〉迎火者一一人〈略〉竈所役六人」(出典:兵範記‐久寿二年(1155)六月八日)
  4. 婚礼で、花嫁を迎えるときにたく火。
    1. [初出の実例]「婚礼 送火・迎火等あり」(出典:諸国風俗問状答(19C前)伊勢国白子領風俗問状答)

むかい‐びむかひ‥【迎火】

  1. 〘 名詞 〙むかえび(迎火)《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「むかひ火とたがひにみてや飛蛍〈一正〉」(出典:俳諧・毛吹草(1638)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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