近江寺(読み)きんこうじ

日本歴史地名大系 「近江寺」の解説

近江寺
きんこうじ

[現在地名]西区押部谷町近江

性海寺しようかいじ谷の北側の谷、近江寺川の上流に所在する寺。近江山と号し、高野山真言宗、本尊は十一面千手観音。「峯相記」は離念(行基の弟子)建立と伝える。鎌倉時代末期播磨での悪党の活動激化を反映して、乾元二年(一三〇三)の播磨国司庁宣案(近江寺文書、以下断りのない限り同文書)には、院宣にまかせ甲乙人の狼藉停止とともに祈祷への専念が命じられ、同年と推定される六月二六日付の某上皇院宣案では、近江寺住僧らの申請どおり住吉上すみよしかみ保庄内の免田への甲乙人の煩いが停止された。建武三年(一三三六)二月三日当寺衆徒は先月二七日の京都合戦に敗れた足利尊氏攻撃を命じられた(伯耆守某軍勢催促状)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報