デジタル大辞泉 「返さふ」の意味・読み・例文・類語 かえさ・う〔かへさふ〕【返さふ/▽反さふ】 [動ハ四]《動詞「かえ(返)す」の未然形に反復継続の助動詞「ふ」の付いた語》1 裏返して見る。「針袋取り上げ前に置き―・へばおのともおのや裏も継ぎたり」〈万・四一二九〉2 思い返す。反省する。「かくだに思はじ、など心一つを―・ふ」〈源・手習〉3 問い返す。反問する。「史記の難き巻々、寮試受けむに、博士の―・ふべき節々を引きいでて」〈源・少女〉4 (「かえさい申す」「かえさい奏す」の形で)辞退する。「心深きさまなることどもを宣のたまひつづけしには、えすくすくしくも―・ひ申さでなむ」〈源・若菜上〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「返さふ」の意味・読み・例文・類語 かえさ‐・うかへさふ【返・反】 [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 動詞「かへす(反)」の未然形に上代の継続・反復の意の助動詞「ふ」の付いたもの ) 裏がえして見る。ひっくりかえしておく。[初出の実例]「針袋取り上げ前に置き可辺佐倍(カヘサヘ)ばおのともおのや裏も継ぎたり」(出典:万葉集(8C後)一八・四一二九)[ 2 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙 ( [ 一 ]が平安以後一語化したもの )① 繰り返しながらおしすすめる。重ねてする。[初出の実例]「今は三び復(カヘサヒ)失を尋ね究むるに」(出典:法華義疏長保四年点(1002)五)② ふりかえってみる。反省する。思いなおす。[初出の実例]「かくだに思はじ、など、心一つをかへさふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)③ 相手の不審な点や誤っている点などをおしかえして問いただす。問いかえす。質問する。[初出の実例]「博士のかへさふべきふしぶしを引き出でて、ひとわたり読ませ奉り給ふに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)④ 相手の意向を受け入れないでおしかえす。反論する。反対する。[初出の実例]「とかく申しかへさふこと、えあらじかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)⑤ 辞退する。ごめんこうむる。ことわる。[初出の実例]「『いかでか』など、かへさひきこゆべきほどならねば」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例