(読み)セキ

デジタル大辞泉 「迹」の意味・読み・例文・類語

せき【迹】[漢字項目]

[音]セキ(漢) シャク(呉) [訓]あと
〈セキ〉足あと。あと。「行迹・事迹」
[補説]「」と通用
〈シャク〉に同じ。「垂迹すいじゃく本迹ほんじゃく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「迹」の読み・字形・画数・意味


10画

(異体字)
17画

[字音] セキ・シャク
[字訓] あと・あしあと・いさお

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 形声
正字はに作り、(せき)・朿(せき)の声。は責の初文。迹・跡など亦に作るものは、の俗字。朿(し)は神聖の表示として樹(た)てる表木。軍の駐屯するところに、祭肉の(し)(祭肉の形)をおき、朿を樹てたところはで、軍の駐屯地。〔説文〕二下に迹を正字とし、「む處なり。に從ひ、亦(えき)の聲」とするが、亦は腋(えき)の象形字で、声義ともに関係がない。金文(せき)の字があり、神聖の表示である朿と、貝とに従う。貝は財貨、そこより賦貢を徴することをという。金文の〔秦公(しんこうき)〕に「禹(うせき)に宅(べきたく)す」の禹は、文献にいう禹迹領有支配して賦貢を徴することを成(せいせき)(成績)、然らざるときは不・弗という。・績・蹟は一系の字である。

[訓義]
1. あしあと、前人のあしあと、前人のいさお。
2. いさお。領有し、支配し、貢賦をとる、そのいさおし。
3. あとづける、たずねる、おう。
4. みち、あとかた。

[古辞書の訓]
名義抄〕迹 アト・タヅヌ・トム・タヅネ 〔字鏡集〕迹 アト・ヒヅメ・フム・ヌキアシ・ツク・ハカル・タヅヌ・クルマノアト・ムマノアト

[語系]
迹tziak、・債tzhekは声近く、迹はもとに作るべき字であった。績tzyek、積はもとその賦貢するところをいい、績は織物、積は農作物である。このような賦貢義務は、人民に債として課せられたものである。

[熟語]
迹痕迹索・迹察迹象・迹状・迹人・迹盗迹附迹捕迹訪
[下接語]
悪迹・遺迹・逸迹・禹迹・掩迹・王迹・往迹・迹・開迹・軌迹・旧迹・窮迹・行迹・形迹・古迹・故迹・鴻迹・痕迹・削迹・迹・事迹・車迹・手迹・縦迹・書迹・勝迹・蹤迹・心迹・神迹・人迹・尋迹・垂迹・聖迹・絶迹・遷迹・前迹・善迹・足迹・息迹・大迹・托迹・治迹・鳥迹・陳迹・追迹・轍迹・蠹迹・韜迹・遯迹・馬迹・発迹・美迹・筆迹・不迹・風迹・迹・訪迹・墨迹・昧迹・名迹・滅迹・幽迹・容迹・履迹・霊迹・涙迹・浪迹

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