退治(読み)タイジ

デジタル大辞泉 「退治」の意味・読み・例文・類語

たい‐じ〔‐ヂ〕【退治/対治】

[名](スル)
悪いものや害を及ぼすものをうち滅ぼすこと。「ネズミを―する」「鬼―」
仏語煩悩ぼんのうや怠惰な心を断つこと。
[類語]征討征伐討伐

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「退治」の意味・読み・例文・類語

たい‐じ‥ヂ【退治・対治】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。仏道修行に専心するために煩悩悪魔降伏(ごうぶく)し、さまざまな障礙(しょうげ)を断ち切ること。
    1. [初出の実例]「此三摩地所対治法、有二十種白法対治」(出典:守護国界章(818)上之下)
    2. 「あしきことと知なば、漸々に退治すべきなり」(出典:正法眼蔵随聞記(1235‐38)二)
    3. [その他の文献]〔摩訶止観‐一上〕
  3. 病気をなおすこと。治療すること。
    1. [初出の実例]「匡衡朝臣所占殊重、対治之事、従令申旨、可倹約、殿上事先々可之由、仰下重畳」(出典:権記‐長保二年(1000)五月一一日)
  4. 討ち平らげること。攻めほろぼすこと。こらしめること。
    1. [初出の実例]「兄をころすは悪に似たれども、わが位につかんれうに射ころし給ふにはあらす、大方の悪を対治せらるる心也」(出典:愚管抄(1220)一)
    2. 「テキヲ taigisuru(タイヂスル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android