朝日日本歴史人物事典 「連阿」の解説
連阿
生年:寛文11(1671)
江戸前・中期の歌人。備後(広島)の人。若年時の経歴未詳。40歳ごろに出家して時宗に入る。遊行49世一法上人に従って諸国を回る。この折に一法の一行と別れて盛岡から江戸へ向かうが,紀行『壺の石碑』には歌枕への強い関心がみられ,和歌に対する素養の深さをしのぶことができる。後年,江戸麻布に庵を結んで武家歌人達に堂上歌学を伝えた。武者小路実陰に師事。門人の亨弁,亨弁の指導を受けた萩原宗固へと彼の学統は伝えられ,近世中期の江戸堂上派の一流派として相応の影響力を持った。家集『竹葉集』。同書所収の紀行『ゆの山ぶみ』『木曾の山ぶみ』も豊富な内容を有する。<参考文献>松野陽一編『江戸堂上派歌人資料連阿著作集』
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報