新撰 芸能人物事典 明治~平成 「邑井一」の解説
邑井 一
ムライ ハジメ
- 職業
- 講談師
- 本名
- 村井 徳一
- 生年月日
- 天保12年
- 出生地
- 江戸・牛込南町(東京都)
- 経歴
- 田安家の御家人(御納戸同心)の子に生まれる。幕末、彰義隊に加入したこともあった。15歳のころ旭堂南鱗の弟子になろうとしたが断られ、16歳の時に初代真龍斎貞水(2代目一龍斎貞山)に入門、菊水を名乗る。のち巴水、貞水の貞山襲名に伴い貞朝と改名、更に初代貞吉の3代目貞山襲名に伴い2代目一龍斎貞吉を名乗る。のちに本名の村井姓に因み2代目邑井貞吉と改め、真打ちとなり、のち長男・吉雄に3代目を譲り、邑井一と改名する。得意な演目に「五福屋政談」「玉菊灯籠」「小夜衣双紙」「加賀騒動」「伊達騒動」「曽我物語」「紀伊国屋文左衛門」「鈴木主水」などがあり、特に写実的な世話物を得意とした。武家の出身だけあって行儀が良く、品格そなわった名手と伝えられ、無本で弁じたが、地の言葉がそのまま文章を成していると称賛された。門弟として邑井吉瓶・蘭瓶などが有名。
- 没年月日
- 明治43年 4月8日 (1910年)
- 家族
- 長男=邑井 貞吉(3代目)
出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報