日本大百科全書(ニッポニカ) 「部分分数」の意味・わかりやすい解説 部分分数ぶぶんぶんすう 実数を係数とする有理式f(x)/g(x)において、分母g(x)がg(x)=(x-a)k……(x2+px+q)l…のように因数分解されたとする。ここにx2+px+q以下は実数の範囲では分解できないとする。このときf(x)/g(x)を次のような展開形に表すことができる。 有理式をこのように表すことを部分分数に展開するという。f(x)/g(x)を部分分数に展開するときは別図のように次の手順で行う。(1) 表の例3のようにf(x)をg(x)で割りという形にする。(2) g(x)を因数に分解して、表の例1、例2のようにして未定係数を求める。 部分分数展開は、有理関数の積分の計算の基礎である。[寺田文行] 部分分数の例〔表〕 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「部分分数」の意味・わかりやすい解説 部分分数 (ぶぶんぶんすう)partial fraction 有理式,は,次のように変形される。有理式を右辺の形に表すことを部分分数に展開するという。この展開は次の二つの事実に基づいてなされる。多項式fの次数をdeg fで表すことにする。(1)f,gが互いに素な多項式で,hが多項式でdeg h<deg fgであれば,で,deg A<deg f,deg B<deg gを満たす多項式A,Bが定まる。(2)nが2以上の自然数で,deg h<degfnならば,で,deg Ai<deg f(1≦i≦n)である多項式Aiが定まる。(1),(2)のA,B,Aiは未定係数法を用いて計算することができる。執筆者:斎藤 裕 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「部分分数」の意味・わかりやすい解説 部分分数ぶぶんぶんすうpartial fraction 1つの分数式を,それより簡単ないくつかの分数式の和の形に書直すことを,与えられた分数を部分分数に分解するという。たとえば,分数式 を,A ,B を定数として の形に書直すことを試みれば,分母を払って係数を比較して A=6,B=-1 であることがわかる。微分や積分は加法的な演算なので,分数式の微積分には部分分数分解が有効になる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by