部分制御バックライト(読み)ぶぶんせいぎょばっくらいと

知恵蔵 「部分制御バックライト」の解説

部分制御バックライト

液晶テレビで利用される高画質化技術。「局所制御バックライト」と呼ぶ場合もある。
 液晶は、背面もしくは側面に搭載される「バックライト」より出た光が、液晶とカラーフィルター、偏光板を通って外に出てくることによって画像を作る。色の変化や明暗は、液晶がシャッターのような形になり、光の透過を防ぐことで実現している。通常は、バックライトの光り方は、液晶全面で統一されているが、部分制御バックライトでは、その名の通り、バックライトの発光部が分割され、それぞれの部分が独立して光る。
 液晶はプラズマ有機ELに比べ、明るい部分と暗い部分のコントラストが弱い。そこで、バックライトの光り方を「明るい部分」と「暗い部分」で分けることにより、コントラストを高めるのが、部分制御バックライトの狙いである。バックライト部の構造が複雑化すること、部分制御を行うために、より高い処理能力が必要とされることから、製品化には高い技術が必要であり、製品の製造コストも高いものとなる。
 バックライトをいくつに分割するのか、発光を「白」に統一するのか、各部で色を変化させるのか、といった技術的な特徴は、各メーカーによって異なる。
 2008年11月の段階では、ソニーが「BRAVIA XR1シリーズ」で、シャープが「AQUOS XS1シリーズ」で採用している。両社の他、東芝・日本ビクター・ドルビーラボラトリーズなどが、商品化に向けた技術発表を行っている。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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